患者さんには外に出て運動しようと勧めているのに、えらいダブルスタンダードである。それを知りつつiTuneで「エリジウム」をダウンロード視聴したのが唯一の対社会的行動。
「第9地区」という、宇宙人が地球に難民としてスラムで暮らす作品で有名になったニール・ブロムカンプ監督の第二作目。一作目は逆転発想と言って褒めそやされるのだが、もうちょっと前に同じ発想の映画があった。確か邦題が「エイリアン・ネィション」で、エイリアンが刑事になって、エイリアン移民に関わる事件を捜査する話だった。
そんな訳で「第9地区」にはそれほど新発想という印象はなく、確かに都市スラムの描写は上手だったのかな、と言う印象しか残っていない。その上、この第二作目のスラム映像化はエリジウムという超富裕層が住む宇宙ステ-ションとの対比を目的にしているためか、今ひとつ常同的である。あれなら上野-北千住間の景観のほうが趣がありそう。
脚本はあちこちにかなり穴があり、相当暖かい目で見てやる姿勢が必要で、ありがちなストーリーにつなぐためにはあれでいいよねと、自分で一所懸命納得しないといけない部分が数多い。スラムを撮らせれば言うことなしのこの監督も、近未来超富裕層居住地の描写は今ひとつというにもお粗末。
それでもこの手の映画をを観てしまうのは、マルクスが予言した窮乏化理論、富裕層と貧困層の絶対的分化がそう現実化していないことを確認して、胸をなでおろしたいからなのかもしれない。単に認識が甘いだけなのかもしれないれど。
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