どうも、やしきたかじん氏の死以来、歳の近い人の死に変に敏感になっているようで、カウフマンもずっと前に死んだ人ながら、生まれたのは私の一年前なのが興味を持った理由の全てである。才能に溢れながら35ぐらいで死ななければならない運命を、彼はどうやって受け入れたのか、そんな関心だけで視聴したわけ。
独自のスタイルをもった売れないスタンドアップコメディアンとしてクラブ回りしていたアンディは、ある日辣腕マネジャーに見出される。その場限りのジョークを垂れ流すのではなく、人の感情そのものを操作する新しい笑いを求めるアンディは、次々に問題を起こしつつ人気を得るものの、その過激さのため、ついにはTV界から拒否される事態に至る。そんな頃、彼は自分が不治の肺がんに侵されていることを知るが、周囲の人は悪趣味なジョークだとしか捉えてくれない。病魔が進行する中、彼は長年の夢だったカーネギーホールでショーを開き、死の床につく。
そのカーネギーホールでのショーといい、葬儀の時に流される全肯定的な遺言映像といい、それまでの悪意すら込められた笑いへの追求が急に薄れてしまい。えらく凡庸な内容になってしまうのが少々不満を感じるところ。死の受容はとんがった人をもありきたりに変えてしまうんでしょうかね。
そんな訳で、なんとなく不完全燃焼気味でありつつも、それなりに面白い映画でありました。ジム・キャリーの演技は素晴らしく、その恋人役にかのコートニー・ラブが出ていたのもお得感抜群。何より、「重力の虹」を読んだ直後なので、明確なストーリーの存在というものの有り難さをしみじみと感じた次第。
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