2013年11月10日日曜日

野田地図「MIWA」観劇


昨夕は東京芸術劇場まで出かけて野田秀樹の「MIWA」を友人達と観劇。首都東京とはいえ、池袋までくると私のような田舎モンでも、そうアウェイ感にはとらわれない気楽さがある。それでも劇場前の広場では何やらわからんイベントがいくつか繰り広げられており、アートの雰囲気は満々である。

肝心のMIWAであるがこれは美輪明宏のことで、基本的には彼(彼女?)の半生記が芝居の骨格となっている。野田の芝居は唐十郎などと比べると、より言語の意味にこだわる部分が強く、重層的な構造がこれでもかこれでもかと繰り返される作りになっていて、それを見事な構成と感じるか、ウザいと感じるかは多少微妙なところがある。

少なくとも昨夜のMIWAに関してはかなりの出来と思われた。天国で自分の性を選んで生まれ落ちようとする時、神に逆らったアンドロギュノスと一緒に地上におりてしまい、ひとつの身体を分け合うことになった、というのが発端部分。主人公のMIWAは宮沢りえと中村有志が扮したネガティヴオーラ夫人みたいな衣装の古田新太が二人で演じるという作り。他にも劇そのものが劇中劇になっているとか、凝った意匠には事欠かない。

一番関心したのは宮沢りえの存在感で、ほぼ2時間以上出ずっぱり、かつ長セリフの連続を難なくこなし、あちらこちらへと転導されるイメージを取りまとめる役割をきっちりと引き受けている。今までみた彼女の出演作の中では出色の出来と思えた。単に可愛いだけの役者では無さそうである。今までちょっと過小評価していたなと少し反省。

そんなわけで、なかなかの満足を覚えて湘南新宿ラインにて帰宅。今月はあと二つ観劇計画があるんだが、それも当たりであって欲しいなと念じつつ就寝する。

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