2013年6月26日水曜日

月に向かって小便

大学時代の友人がフランドル旅行に行ってきたとかで、おみやげにとアントワープのマイヤー・ヴァン・デン・ベルグ美術館で買ったメモ帳を送ってきてくれた。

親父のほうのブリューゲルが書いた「十二の諺」の一つを表紙にしたものである。三日月に小便をひっかけているオヤジの後ろ姿で、向こうにはそういう諺があったのだろうが、そこまでは説明されていない。

気になったのでこの絵について検索してみたが、オランダ語以外の記述は見つからず、そのオランダ語の説明も12枚の絵を網羅するようなものはなく、通り一遍の短いものばかりだった。

もしやと思って有名な「ネーデルランドの諺」をみると、まさしくこの絵と同じモチーフが描かれていた。手前の家の真ん中の屋根裏部屋から、看板になっている三日月に向かって小便をしている男を見ることが出来る。

日本語の手の込んだ解説ページもちゃんと準備されていて、それによると「月に向かい小便」というのは、野心ばかり大きくても成功しないと言う意味なんだそうだ。まじめにメモをとる態度など生涯ついに身につかず、その場限りの思いつきで人生を夜郎自大に過ごしてきた私に対する戒めとして、親切な友人が送ってくれたに違いない。有りがたく頂戴して地道な生き方に邁進するよすがとしようと思う。もう遅いけど。

0 件のコメント:

コメントを投稿