渋谷Bunkamuraシアターコクーンに唐十郎-蜷川幸雄コラボ演劇「盲導犬」を友人たちと観に行く。
田舎者は渋谷という街の雰囲気にすでにビビってしまい、圧倒的アウェイ状況で萎縮してしまいそうになる。負けてなるものかと無意味に緊張するので芝居以前に疲労困憊。
この芝居は唐十郎が、70年代初頭、小劇場を立ち上げては潰し、演劇界の小沢一郎と呼ばれていた(嘘)蜷川幸男のために書き下ろしたもの。観たこともなければ、唐の戯曲集で読んだこともない。まあ、当時唐は犬が象徴的テーマの芝居をいくつか書いていて自分の劇団で上演していたような気もする。
今日観てきた直後でもなんだかよく判らん話なんだが、盲導犬に象徴される服従と非服従をめぐる物語だったようだ。これが70年代初頭という社会的状況では、それなりの脈絡を観客が勝手に感じ取ったのだろうが、今となってはそのニュアンスも希薄。いわゆるアングラ劇のエネルギーを受け継ぐ役者が乏しいのも致命的。宮沢りえはやはり可愛いのだが、いったい彼女は何を目指しているのか、多少不安に感じないこともない。
70年代当時の唐十郎としても多少この芝居は不完全燃焼というか、唐らしいイマジネーションと言葉の遊びと物語性の見事な混交があまり成功しているとは言いがたい。S席で9500円払って、え、これで終わり?というのが正直な印象。たちの悪い風俗店でカモられた気分である。まあ、行ったことないのでよく判らんのだけど。
ちょっと疲れたので、Face Bookにアップした文章をほとんどそのまま投稿。
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