「スウィングしなけりゃ意味がない」というジャズのスタンダード・ナンバーがあるが、村上春樹の音楽評論本には、これをもじった「意味がなければスイングはない」というものがあるらしい。
元の曲名を命題と捉えるなら、村上春樹の本の題名は元の逆命題ということになり、当然、真偽値は一致しない。
元命題と真偽値が同一であるためには、その対偶をとる必要がある。この場合は「意味があればスイングする」となる。意味があることがスイングの十分条件だということだ。言うならば、意味がなくてもスイングする場合があるということが、対偶に変換することで明示的になったと言える。
村上本題名では、この「意味がなくてもスイングする場合がある」ということが否定されてしまうことになる。確かに、音楽について言語的に語ろうとしている時、「理屈なんかなくったって、ノリが良ければいいじゃん」と言う意見ばかりでは本になりませんわね。
もっとも、音楽なんてものは意味などとは無関係に楽しまれてきたものではないかな、とも思う。勿論、ここで言う「意味」と、曲名にある「意味」はかなり違うものであることは承知の上なのだけれど。
たまにはややこしい事を考えてみようと思ったが、連休二日酔いモードでは上手くまとまらない。
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